木質パネル工法のS×L
少々旧聞ですが、2月に「200年住宅」の現地見学に行ってきました。都内の個人宅でハウスメーカーはS×L(エスバイエル。旧小堀住建)です。これから内装工事、設備工事に取り掛かるという時期で、内部構造を確認するという主旨。30代夫婦から60代夫婦まで5組ほどが参加していました。当日の印象をつらつらとご紹介しましょう。
S×Lの住宅は、木質パネル工法を採用しています。これは構造ベニヤに2×4材を接着した構造パネルを工場生産し、現地で組み立てるというもの。構造ベニヤは屋外側の片側のみ。ロックウールの断熱材を入れ、石膏ボードを貼り、クロスなどで仕上げます。

↑室内の壁です。この上に石膏ボードを張ります。室内壁なので断熱材は入れないそうです。
木質パネル工法のメリットは、第一に軽量なことでしょう。建物全体が軽くなるので揺れの影響が小さくなり、その結果、耐震性が高くなるのです。使用する木材も少なく、一種のプレファブですから現場での作業も在来工法より少なく、本来はコスト的にも安くなるはずです(あまりコマーシャルにも力を入れていない企業なので、相当安くなってもいいはずですが、聞いてみると正直それほどでもありませんでした。営業は研究開発に力を入れているといっていました)。
210℃以上で加熱すると木材の栄養分が壊れる
使用しているベニヤや2×4材の品質は最高品質だそうです。中でも「200年住宅モデル」の場合、2×4材にはサーモウッドという人工的な加熱(220℃)によって特別に含水率を下げた木材を使っていますが、これはフィンランド建築技術センターが開発した建材で、含水率が最大で通常の木材の半分以下。210℃以上で一定時間加熱すると、セルローズなど、木材の栄養分が壊れて、菌や虫に食われにくくなるそうです(サーモウッドは他にも使用している企業が多く、屋外でも使用できる高耐久、高耐候な建材です)。木造住宅の寿命を延ばすには、腐朽菌やシロアリの被害を受けないようにすることが重要。サーモウッドの採用も、そのための選択の一つです。
独自の壁内換気システム
S×Lの「200年住宅」の特徴は、独自の壁内換気システムでしょう。2×4工法のように密閉されたパネルだと、内部に湿気が貯まり、4~5年もすると断熱材がカビで真っ黒になるケースも珍しくありません。S×Lでは、ポリプロピレン製のスペーサー(穴あきシート)で空気層を作り、さらに2×4材に欠き込み(小さな換気口)を設けて、床下の空気がパネル間を抜け、屋根裏から外部へ抜ける空気の通り道を確保しているのです。太陽によって温められた屋根裏の空気が外に抜けることで、動力を使わずに、順に空気が上へ上へと引っ張られる仕組みですから、パッシブソーラーシステムの1種ともいえます。なかなかスマートなシステムといえますね。
次回はこの続き。
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