今年もジャパンホームショーを取材 その1
広告表現が大分気になった「380年住宅」
11月11日から13日、今年も東京ビッグサイトでジャパンホームショーを取材してきました。毎年興味深い製品が登場するので楽しみな展示会です。全体傾向としてはエコ関連商品が多い点が目立ちますが、今回は木質系の壁材や、タイルのデザイン性が高くなっているなという印象を強く持ちました。
中でちょっとどうかなと、その広告表現が気になったのが「380年住宅」を堂々と標榜していた企業でした。その根拠を示してもらったところ、営業マン氏は「木は伐採後1400年で最も強度が強くなるんです。法隆寺が証拠です」という趣旨の説明をするのです。これは明らかな間違い。法隆寺にも使用されているヒノキは、確かに伐採して木材に加工した後、300年くらいは強度を増し、約1000年で元の強度に戻るといわれています。他の樹種にも同様の経年傾向を持つものがあるそうですが、たとえばケヤキは切った時点から強度が下がり続けます。「木は伐採後1400年で最強」は2重の意味で間違いですね。
木のところはそれ以上突っ込まず、さらに380年の根拠を尋ねると、20年ごと程度の定期的な検査・メンテナンスを前提に、「斜交いに使用している構造金具の亜鉛メッキの耐久性が尽きるのが399年。なので切りのいいところで380年です」という説明です。ここもどうかと思います。あくまで金具は構造の従。主たる要素ではありません。
非常に良質のヒノキを構造材に使用し、基礎も380年以上持つと証明されているなら「380年住宅」を名乗ってもいいのかもしれません。しかしながら、根拠の説明のポイントがずれていて、不正確なので説得力がありません。壁倍率は5・4と高水準なので、質の悪い住宅だとは思いませんが、広告戦略に穴が目立ちます。長期優良住宅先導的モデル事業に認定されているそうなのですが、もしかすると、たとえば湿気対策などの点で、商品プランにもどこかに穴があるのでは?という懸念が浮かぶ印象を受けました。
インパクトを与えようとするばかりに、逆に疑問を抱かれるというのは少々残念です。
長期優良住宅の評価基準を突き詰めよう
長期優良住宅それ自体は、本来、住宅の有るべき姿だと思います。しかし、実際に何年の寿命が期待できるのか、またチェックすべきポイントとその正しい評価法は何なのか。これらの基準は必ずしも確立されてはいないなと思います。国の認定を受けたから寿命が200年だとは言い切れません。もちろんほとんどの企業は、380年はおろか100年とも、具体的な寿命年数を保障していません。単に「国の認定を受けている長寿命住宅です」、と宣伝しているだけです。しかし、この初めから逃げを打っているような姿勢が、今一つ盛り上がりに欠ける原因でしょう。
国の長期優良住宅とは何を最低限保証し、それは実際に正しいのか。その前提をはっきりさせた上でメリットは何なのか、あるいはいくらなのかを公にする必要があります。「380年住宅」の一件は、そんなことをはっきり意識させてくれるきっかけになりました。取り組んでいきたいテーマです。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)








最近のコメント