飲み比べると味が際立つ

先日S社主宰の「ウイスキーを楽しもう!セミナー」に参加した。参加費1000円で6種のシングルモルトを飲み比べられるという魅力的な企画。6つのテイスティンググラスにそれぞれ1/2フィンガーほど注がれていたのは、スペイサイド代表のザ・マッカラン12年とグレンフィディック12年、アイラ代表のボウモア12年とラフロイグ10年、日本代表の山崎12年と白州12年。四谷駅前のビルの1室に集まったのは、ほぼ40以上の親父で占められた30人ほどの男女だった。
講師の女の子がウィスキーの歴史などを説明したのち、1つ1つの銘柄のテイスティングに入る。プラスチックのカバーを外してまず香りを確かめる。続いてグラスを回して再度香りの変化を楽しむ。グラスを持ち上げて口に含み、もう一口は鼻から香りを逃がすようにして。1/2フィンガーしか入っていないので、舐めるように味わう。ぐいっといってもいいのだが、味比べができないのでここは我慢だ。あ、もちろんテイスティングの後には自由に飲める時間が30分ほど用意されているので飲兵衛の皆さんご安心を。
一通り飲み比べると、それぞれが個性を主張して何とも味が際立つのに驚いた。普通、自宅では同じ銘柄を飲み続けるし、バーでは1杯飲み干してから次に移るので、またはじめの銘柄に戻って味の違いを確かめる、などという経験はしたことがなかったのだ。言ってみればこれは美女を6人並べて…。おっと危ない。危ない。
「どの銘柄が一番お好きですか?」との質問に、半数以上がマッカラン嬢に挙手。鹿谷嬢、山崎さんもなかなかの人気だ。私はといえば今回はミス・ラフロイグ、断然ラフロイグ嬢に惹かれるものを感じてしまった。以前はあまり好きではなかった銘柄で、バーでしか飲んだことはないのだが。経験をつんで私の舌が大人になったのか、はたまた軽い刺激では満足できなくなったのか。ピート臭、ヨード臭のスモーキーで力強い味わいがよかったんだなあ。今度ボトル1本購入して、心行くまで味わい尽くしてみることにしよう。
それにしても好みは実に人それぞれだ。となりの御仁は「山崎のふくよかさが好きだ」とおっしゃるが、私にはすこし眠い味にも感じられた。もっともS社のウイスキーにも素晴らしい製品は多い。たとえば、その晩に出された響17年のロックはとても面白い味だった。ちょっとラズベリー、クランベリーのようなベリー類の甘さを感じさせるようなとでもいおうか。ワイルドなラフロイグ嬢とはまったく異質だが、こっちもいける、と思ったのも事実である。
結論。いいシングルモルトを少しずつ、たくさん並べて飲み比べる。これはなかなかに心踊る楽しみである。そこに友人が数人いればさらによし。
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